うつ病の原因を脳の神経損傷とする仮説とは

うつ病の原因が脳の神経損傷にあるという仮説について考えよう

うつ病とは脳に起こる病気であるといういう考えがあります。こういう考えかたの人の意見としては、うつ病を怠け癖などの心の問題として考えずに、はっきりと病気としてとらえて対処すべきだという考えが多いようです。言い方を変えれば、うつ病とは脳の疲労した状態と考えるわけです。これはたしかに適切な意見だと思えます。

このような考えとは少し違って、うつ病の状態にある時の脳の内部における変化を考える立場があります。

その一つに内因性うつ病と考えられるものがあります。これは脳の中の神経伝達物質である、ノルアドレナリンやセロトニンががうまく働かなくなったために起こると考えられるものです。これらのうつ病には抗うつ剤が効果があるとされています。

そのほかに、生物学的仮説として、脳の組織である海馬領域に損傷がおこるという説があります。

この海馬領域の損傷が起こるのは、遺伝的にその基礎になるものが存在するという一つの考えがあります。

これとは別に幼少時の心的外傷がその基礎になるという考えもあります。副腎皮質ホルモンであるコルチゾールはストレスにより発散され、これが過剰なストレスをうけた場合に大量に分泌されて、これが脳の海馬を委縮させるというものです。このような例はうつ病や心的外傷後のストレス障害の患者に発見されています。

その他にもオメガ―3脂肪酸と、オメガ―6脂肪酸のアンバランスが原因となる仮説もあります。

これらも仮説の段階のものが多いですが、うつ病の症例のいくつかは、脳内の変化と関連がある可能性が大きいことが考えられます。

認知療法などの心理療法による効果も認められる例がありますし、すべてのうつ病が脳内の変化と関連があるとは言い切れませんが、脳内の病変との関連はさらに解明される必要があります。

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