うつ病の症状ごとの治療法とは

さまざまな形で現れる気分障害。その適切な治療とは

うつ病は一定の症状に対し、付けられた病名であるため、その原因にも諸説あります。どの原因説もほとんどが仮説の状態です。現在「大うつ病」という名前で分類されているいわゆるうつ病はすべてが一つの原因に因るとは言えないでしょう。

抗うつ薬による治療は、かなりの効果が認められていますが、若年層が使用した場合自殺に至る率が高まるという指摘もあります。しかし、若年層の患者が自殺に至ったとして、それが抗うつ薬の影響かどうか判別することは困難です。また抗うつ薬の使用に至る患者の場合、うつの症状はかなり進んでいると考えられるので、そのグループに自殺者の比率が高いことも十分予想できることです。抗うつ薬と自殺の相関については今のところはっきりした結論は出せません。

このため、抗うつ薬の使用と併用して、心理療法や運動療法をおこなうことがすすめられています。

心理療法は、認知行動療法が、その代表的なものです。心理療法を支持する考えの中には、薬物利用法に疑問をもつ意見もあります。しかし、薬物療法を全く否定してしまうのはやはり問題があると言えます。心理面と直接の関連を持たない、内因性うつ病などの場合薬物療法が有効なはずです。

認知猪行動療法を大まかに言うなら、患者の気分をコントロールしてすることにより、患者のゆがんだ認知を正すやり方といえます。うつ病の原因が、ストレスからくる認知のゆがみであるなら、この方法は有効でしょう。しかし、抑うつ状態にある人の気持ちをコントロールすることは、非常に難しいことです。治療に当たる側の力量が求められます。

また、患者と治療に当たる側の相性も問題になってくると言えます。場合によっては、治療する側が患者を理解しようとし過ぎた場合などには、相手の気分に巻き込まれて、事態をさらに悪化させる恐れさえあります。

患者の家族や周囲の者の対応も、いわば心理療法の重要な位置を占めるものといえます。よほど特殊な例外を除いては、心理療法の必要性は否定できないでしょう。

この他に運動療法があります。これは軽度のうつの場合、適度な運動を習慣的に続けることで、効果があがるというものです。効果のほどが、統計的に検証されにくいこともあって否定的な意見も一部にはあります。

しかし、たとえば学生時代スポーツに励んでいた人の中で社会に出て、習慣的なスポーツから離れた場合に気分障害に陥る人を多く見かけます。これはあくまで私見で統計的な検証がされたものではありませんが。習慣的なスポーツが気分に好影響を与えることは確かにあると思われます。

ただし、この場合注意しないといけないのはあくまで、適度な運動が好結果を及ぼすわけで、重度の患者の場合など無理に運動を勧められることがストレスになるなら逆効果になることは間違いないでしょう。

これは運動療法とは直接関係ありませんが、このような話があります。私の身近な人で、一般人に座禅を勧めている禅宗の和尚の意見によると、軽いうつの人には座禅は有効だが、重度のうつの人にはかえって逆効果になる場合が多いので、座禅を万能薬と考えるのは問題だということです。

運動療法にしても、他の方法にしてもそれがその患者のストレスになるような場合には避けることも必要だということです。

いくら効果の認められるやり方でも、すべての場合に当てはまるというわけではないということは十分に頭に入れておく必要があります。

このエントリーをはてなブックマークに追加